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春朧(はるおぼろ)

元映画監督であり、作家の高橋治さんが6月13日に亡くなった。
「風の盆恋歌」がベストセラーになり、富山県八尾の風の盆が
全国に知れ渡ったことが有名であるが、釣りや焼き物、植物なども
好きで本にされている。
高橋治氏の記事
恋愛小説も多いが、釣り好きな私は「秘伝」や「さすらい波太郎」シリーズなどの釣りがテーマの
小説から読むようになった。

以前は著作を10冊以上持っていたが今は整理して、残したものは
写真の5冊だけになった。
高橋治さんの本
「花と心に囲まれて」と「くさぐさの花」はエッセイ集。

「青魚下魚安魚」讃歌はエッセイ集であり料理の本でもある。
特にこの本は釣ってきた魚の料理の参考にさせてもらって
アジやサヨリ、カワハギなどで真似して作ってみたこともある。

味にうるさいこの人は、他のことにも厳しく
釣りでは、寄せ餌をドバッと捲いて釣る磯釣り、
抗生剤を入れた餌でのハマチやタイの養殖、
天日でなく機械で乾かして作った干物、
養殖の魚を使った料理を出す全国の旅館などについて
徹底的に批判している。

で、ここからが長良川についてであるが
写真の右にある春朧という上下巻の本。

これは恋愛小説で、他の小説は処分したのにこれだけを残したのかというと
新聞記事にあるように岐阜市の長良川沿いにある旅館のおかみをモデルにして
書かれたものであったからである。

岐阜市内の長良橋周辺の風景描写がたくさんあり、
知っている風景が、文章として表現されるおもしろさを味わうことができた。

私の持っている本は1992年11月の初版本ですが、
これは河口堰建設直前の反対運動がもっとも激しかったころでもあります。

そして、この本の中で養殖と天然の違いがわからず、文句を言った客に対し
主人公のおかみにこんなことを言わせている。

「長良川の鮎はよそと少々違いまして」
「そうはいってもどこの鮎も稚魚を放流したものが大部分です。
河口から上流までダムがない、つまり海で生まれた鮎がさかのぼれる川なんて、
もう日本には殆どありませんもの」
つまり、養殖でもない稚魚放流でもない本当の意味での天然の貴重さを
おかみに訴えさせている。

また登場人物の鵜匠については、

鵜匠を継いだ立場で本質が出しにくいが時には
馬鹿げきった河口堰の問題などで、嚙んで吐き捨てるような反対意見も口にする。
「コンクリートの箱の中で生まれて、コンクリートの箱に詰め込まれて教育を受け、
霞が関のコンクリートの箱に一生忠節をつくす人間に、どうして川のことがわかるんです。」
と官僚批判をさせている。

普通小説に、特に、恋愛小説にはこうしたことは入れないものだが、
入れずには居られなかったのでしょうね。

こんな高橋さんが、今の長良川の現状を見たらどういうのでしょう。
岐阜県民は何をやっているのだ!
「長良川や鵜飼は腐ってしまった!」とでも批判されそうな気がします。


「よみがえれ長良川」まであと2週間
7月4日、5日のチラシ

環境観察会や鵜飼観覧船交流会はまだ参加者募集中です。
申し込み待っています。

よみがえれ長良川






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nagarask@gmail.com

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