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ヨシ原環境観察会

コメントありがとうございました。
河口堰の現地の人たちも長良川の環境が悪くなっているのは当然知っていらっしゃいます。
舟の船頭さんも毎日見ているわけですから、気象条件などがそろえば時々見られると言っていました。

ですから要望があり、弾力的運用という名前のフラッシュ操作で水門を開閉して水を流し酸素を送り込むなどして水質を改善しようとしているわけです。しかしその効果も限定的でその回数を徐々に増やしてこなければならなくなったのです。

環境が悪くなった。だからと言ってなかなか「河口堰を開門せよ!」とは言いにくいものがあるようです。
それは設楽ダムや八ッ場ダムでもでも同じです。人々が分断されてしまっています。
この構造は原発でも同じだと思っています。



5月25日(土)に「湿地のグリーンウェイブ2013」の長良川下流域ヨシ原環境観察会に行ってきました。
講師は 千藤 克彦さん (元長良川下流域生物相調査団団員)

昨年も行われましたが、引き続き今年も参加。
木曽三川の岸辺の環境を比較観察して河口堰のある長良川の環境の変化について学びました。

まず最初に木曽川で河口堰ができてから長良川ではあまり見られなくなってしまった茎が三角になっているサンカクイという植物を観察。昨年は茎が細かったのですが、今年は一本ずつが太くて広く群生していたのが印象的でした。

サンカクイの群生

その後は長良川に移動。
河口堰閉鎖後から定点観察しているヨシ原の状況を見ました。

痩せたヨシ原

いただいた資料によると、堰閉鎖一年目(1996年8月)にはこのあたりは一面のヨシ原でしたが、現在ではこのような歯抜けのような状態でやっと生息している状況でした。

次にカニの生息調査

揖斐川と長良川の川岸で5分間でどれだけ捕まえることができるかで比較

カニの比較調査

写真右側のたくさんカニが入っているバケツがヨシ原が広がっている揖斐川で採取されたカニですね。
左の長良川でのものは個体は大きいものの数が圧倒的に少ないです。
結局 35匹対4匹と9倍近い差が出ました。

揖斐川のカニは1センチに満たないものから6~7センチの大きいものまで様々でした。
これは確実に世代交代が行われている証しだそうです。

ヨシ原の比較観察も行い、道路を真ん中に同じ地点で比較してみたのが下の写真です。

長良川ではこの18年間で陸生植物が成長し木になって生い茂っています。
木の生えた長良川のヨシ原

一方揖斐川では汽水域であるし、潮の干満に合わせて水位が変化するのでヨシ原がそのまま維持されヨシ原には木が一本もありません。
木の無い揖斐川のヨシ原
(1本木が見えますがこれはヨシ原に向こうの河川敷に生えているものです。)

今回あらためて環境の変化について観察してみましたが、やはり河口堰の影響はとても大きいものだと感じました。

特に揖斐川と長良川では1本の道路を挟んで流れているだけなのに、河口にダムを造ることで全く風景が違ってしまうのですね。

美しいヨシ原が復活する日が来るといいですね。
その時は一緒に様々な生き物も戻ってくると思います。

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