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岐阜市版レッドデータとアユ

 今回は3月25日から3月27日にかけて長良川のアユやサツキマスに関わる
様々な報道などがあったので報告と感想です。

3月25日には中日新聞の1ページを使って「清流長良川の鮎を守れ」と
県の宣伝が掲載されました。

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大きく地球温暖化が影響と書かれていますが私はこれは意図的な
誤魔化しだと考えています。

下段をクリックして長良川の鮎資源の変動のグラフを見てもらうと
平成8年からの統計になっています。

平成7年運用開始の河口堰の影響で減ったことを隠すかのように、
あえて平成8年からにし、大きく温暖化をアピールしてあるのではと考えています。
(理由は次の岐阜新聞の記事の紹介でわかります)

そして様々な取り組みや放流行事の宣伝のあと最後にこう書かれています。

「今回の放流は、地球温暖化対策の新たな一歩だけでなく、川の守り手が
減少する中、美しい清流長良川を守る行動を次世代へ確実に受け継ぐという
願いも込めた」  

しかし岐阜県知事はどうだ!
長良川に徳山ダムの水を流すための導水路を早く造るように国に要望している。

清流長良川を守るために他の川のそれもダムの貯め水を流す。
この時点ですでに「清流長良川」と呼ぶのはおかしいでしょ!
ましてや世界農業遺産を謳っている川ですよ。

さてその岐阜新聞ですが、
26日に岐阜市のレッドリストの改訂についての記事が載りました。
img044.jpg
これまで岐阜市のレッドリストの準絶滅危惧種となっていた
長良川の鮎(天然遡上)とサツキマス(絶滅危惧Ⅱ類)がリストから削除されたとのこと。

「放流魚と識別困難」が理由。

この記事には長良川の鮎が河口堰運用開始頃から漁獲量が減少に
向かい、1992年に1029トンあった長良川流域の漁獲量が2021年には
231トンまでになってしまったと明確に書いてあります。

1995年完成運用開始の河口堰の建設工事が始まった時期を考慮すると
河口堰と鮎の減少の関係がハッキリとしますね。

この記事ではレッドリストに選定されてときより鮎が減っているのに
リストから外すのに疑問を呈すると共に、その背景には漁業関係者の強い反発が
あったとされていました。

記事では翌27日にレッドデータブックが公表されるとのことだったので
さっそく閲覧してみた。

表紙はこれ。
img045.jpg


サツキマスと鮎については水産資源上の管理を優先し、
放流個体か天然個体かの判断が困難のため外したとありました。

私たちは改訂するときの経過を知りたい、鮎をリストから外さないように
要望しましたが、会議は非公開、議事録も非公開、すべて決まってから
こうなりましたとだけのレッドリストです。

表紙ですが、本来は斜線部分にレッドリストに載っている様々な
生きものの写真があるのですが、著作権があるので勝手にコピーするな、
印刷して配るな、WEBにあげるなと書かれていたのでこの形になりました。

レッドリストなんて自由に市民に使ってもらうことで、身近な生物に関心を
持ってもらい生物多様性を守るためのものではないですかね?

疑問がたくさん出てくる3月25日から27日の出来事でした。

湧いた疑問、機会があればまたここで書きます。

興味のある方岐阜市のレッドリスト閲覧してみて下さい。























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う~ん…

今回のアユやサツキマスのリストからの削除は、レッドデータブックが形骸化しそうな不安があります。

すべての漁業関係者では無いでしょうが、放流して川から獲る鮎が『清流長良川の鮎』って認識でいるのなら、とても未来に残せるシステムでは無さそうだし、それに流されて削除した岐阜市も時代遅れでダサダサです…

恥ずかしながら、自分も釣りをはじめるまでサツキマスという魚の名前も知らなかったですし、鮎もいるかいないかが大事で、放流ものかどうかはあまり気にしてませんでした。今でも自分の周りには同じような方がたくさんいます。
長良川と流域住民の生活が離れてしまっていることが今回レッドデータブックから大切な魚2種が外されたことの根本の原因のように思いました。
アウトドアブームの今、釣りやウォータースポーツ、キャンプを通してもっと川が身近なものになると良いなと思ってます。
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